ttkzkn1610のブログ

今後ますます混乱し、崩壊の危機が迫る統一教会に対して快刀乱麻、収拾を目指します。本来の姿に再生させるには、自由闊達な議論のもと、各人の主体的判断による後継者の選択と真のメシア観の確立が最重要課題と確信しています。

金正男暗殺の背後にあるものとは? 〜 米国と中国との“取引”はあるのか?

ケビン・メアー元アメリカ国務省日本部長は北朝鮮の軍事的脅威を封じ込める解決策は二つしかないとオバマ政権時代から言っています。

一つは軍事的手段による解決。金正恩指導部を排除するいわゆる“奪首作戦”と核戦力を中心とする軍事施設を破壊することを意味しています。


もう一つは中国に対する経済的制裁を行い北朝鮮に対して有効な圧力をかけ、その核開発を断念させることです。

それとは別に韓国や日本の首相や外務大臣は抽象的な言い方をして具体的な中身に触れることはまずありません。

例えば、軍事的な面と外交的な面の両面から北朝鮮に圧力をかけるといった言い方をします。

今回の事態に対してトランプ大統領との協議においても軍事行動も含めたあらゆる選択肢をテーブルにあげているといった言い方をしています。

その選択肢はいろいろあり得るという言い方はある意味相手に想像させるといった含みをもたせていますが、現状の分析と経過を考えれば、上記のケビン・メアーの発言に集約されてしまいます。

韓国、北朝鮮、米国、中国、日本、ロシアの韓半島に大きく関わってきた六カ国による協議(いわゆる六カ国協議)も完全に行き詰まり、国連決議の度重なる非難決議も何の効力もなく、最後の頼みの綱は中国による圧力と説得にあると言われて久しくなりました。

しかし、国際社会による北朝鮮に対する経済制裁も中国は抜け道をつくってきました。

そこで中国に対して誠実に北に対する経済制裁を守るようにさせねばならないということになります。

ところが糠に釘で全く効果が上がらないので、打つ手がありません。

中国にとっても言うことの聞かない金正恩は全くの厄介者です。しかしその独裁体制が倒れたあとには韓国が統一し、アメリカ軍が入ってきて中国と直接対峙するのは中国にとって絶対避けねばならない体制の危機です。

そこで中国は国際世界からの批判をのらりくらりとやり過ごして裏で北朝鮮を支えるしかありませんでした。

そうなると残された選択肢が、国際社会による中国に対する経済制裁ということですが、世界経済に対する影響などを考えると難しいのが現実です。

そこでトランプ大統領は中国に対して揺さぶりをかけています。

まず台湾の蔡英文総統に電話をかけて、そのあと台湾を中国の一部とするいわゆる“一つの中国”という従来の国際世界の秩序の考えに対して真っ向から疑問をなげかけました。 つまり揺さぶりをかけたのです。

これに対して中国は怒り心頭で台湾海峡に空母を出して台湾海峡有事を演出しました。

(とりあえず、トランプ大統領は日米会談直前に習近平主席と電話会議で手打ちをしています。「暖かい雰囲気だった」いうトランプの言葉は彼のしたたかさを感じます。中国との「取引」を暗示させます。)

これはアメリカはこれまでのようにつまりオバマのように中国に対して融和的ではないぞいつでも言いたいこと、したいことをするぞというフリーハンドを持っているぞというところを見せつけました。

“台湾海峡有事”はトランプの用意周到な計算に基づく揺さぶりに過ぎません。

トランプ大統領にとって、東アジア、または日米最大の優先事項は北朝鮮の核ミサイルとはじめとする脅威にあると明言しています。


今回の新型中距離ミサイル発射実験の主な標的は日本です。正確な言い方をすれば、日本の米軍基地すなわち沖縄、さらにグアム島基地です。しかし、、被害の主な当事者は日本であります。

そこでトランプ大統領は100%日本の立場に立つと宣言しました。

しかし、北朝鮮が年内もしくは来年にも米国本土に届くICBM(大陸間弾道弾)を完成させるという確実な状態になればアメリカ自身の脅威となり、アメリカの論理からすれば狂った金正恩指導部に核のボタンには触れさせないとなります。

今年の米中の課題は経済問題もさることながら、それも絡めつつ、果たして中国は北朝鮮に対して有効なカードとはなり得ないのか?という見極めるギリギリのやり取りがあるでしょう。

それが有効とならなければ、残る選択肢は? もちろん軍事行動しかありません。


私の考えでは中国はアメリカとの取引はするかもしれないと思います。トランプ大統領はイデオロギー( 〜主義 )には必ずしもこだわらないと考えています。当面アメリカの国益になるのであれば、中国とも取引をするでしょう。北朝鮮問題も例外ではないでしょう。

中国もアメリカとの直接的対決よりも“果実”をとるでしよう。つまり危険な金正恩指導部アメリカが排除することを中国が承諾することです。

しかし当然ですが、中国はトランプ大統領と取引をします。

それはその後の北朝鮮の体制を中国に近いある程度のコントロール下におけるような体制をアメリカが容認するような条件をとることにあります。例えば中国、アメリカ、韓国が共同統治する枠組みをしながら新しい政府を作ることなどです。

アメリカにとってもそう悪い話ではありません。なぜならイラク戦争の結果、アメリカは厄介なフセインを排除できましたが、肝心なイラク統治は失敗に終わり、反米感情は最高に高まり、ついにはIS(イスラム国)を出現させてしまいました。そこで金正恩の排除を実行し、中国も関わらせて統治させると自分の責任と憎悪を浴びる危険性をある程度回避できます。

中国にとっても言うことの聞かない危険な金正恩を排除することはアメリカに任せて後の“果実”は取れるのです。(もちろん最終的には同床異夢ですが。)

しかしそれは金正恩にとっては悪夢です。金正恩はアメリカと中国との電話会談を猜疑心をもって見ると、そこでアメリカと中国が取引(ディール)をして自分を排除する会話をしているのかという悪夢にうなされて焦ったのではないかとも考えられます。

中国が傀儡をつくる、その切り札となりうるのが先日暗殺された金正男である可能性は充分あります。

少なくとも金正恩には中国に担がわれる可能性があると考えて、先手を打って今回の暗殺を急いだとも考えられなくもないのです。

今回の金正男暗殺は北朝鮮にとって国内外にダメージが大きいのになぜ金正恩は凶行に走ったのか?専門家達はナゾだと言っています。


それは独裁者金正恩が、トランプ大統領の出現により、自分に向けられた直接的軍事行動の可能性が高くなりつつあるのと、それとともに、トランプと習近平の“取引(ディール)”を恐れたことによるものと考えられるのです。


しかし、もしそれが実行されれば、その後の北朝鮮内部では熾烈なやり取りが行われることになりますが、アメリカ、中国、韓国、にとって(日本にとっても)とりあえず落としどころとはなるでしょう。

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