文在寅政権を「支持率独裁 」と批判しながら、現実を直視できない朝鮮日報。
文在寅大統領の支持率が以前高いところにとどまっています。
8割前後を保っているようです。
分断の世界など、どこにもないようです。
しかし、これは単に国民に中身のない期待を持たせて、その不安と分断をもたらす矛盾を覆い隠しているだけです。
一番大切な安全保障上のことで言えば、前回の記事で、アメリカと北朝鮮のやりとりで最後に出てくることは米朝の交渉での在韓米軍の撤退にかかってきます。そのカードを北が切ってきます。
その時交渉成立しないならば、北のミサイルはさらに充実し、最後は潜水艦からのICBMが実戦配備となるでしょう。
アメリカ本土近海からの発射はアメリカは耐えられないでしょう。
あくまでも韓国が北との開戦に反対すれば、アメリカは北朝鮮との直接交渉をまとめるしかありません。
その時、韓国が反対する内容であっても「韓国抜き」でも交渉はされるでしょう。
北朝鮮の真の目的が韓半島の統一であれば、その方向での交渉をするしかありません。
もちろん文在寅は反対のポーズはするでしょうが、ほかに方法はないと国民を説得するでしょう。
国民はそのような先が見えないので、たた、楽観的に文在寅に期待しています。
その支持は最後は崩壊し、国民は分裂するでしょう。
朝鮮日報からの引用です。
〜引用開始〜
【コラム】「支持率独裁」まっしぐらの文在寅政権
2017/08/27 05:05
「主権は国民にあり、あらゆる権力は国民から出る。」 憲法第1条第2項の条文から抜け出して生活の中に入ってきたのは映画『弁護人』の時からだろう。
映画館でだけで1100万人を超える人々が俳優ソン・ガンホ演じる弁護士、いや、そのモデルとなった青年弁護士時代の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏(後の大統領)の絶叫する姿を見た。
文在寅(ムン・ジェイン)もこれを見てハンカチを手に涙をぬぐい、2009年の盧武鉉元大統領死去後、胸に何度も刻みつけてきたことだろう。
この「国民主権」は文在寅政権の政治戦略文書第1号とも言える国政諮問委員会の報告書「100大課題」で最初に挙げられている。
報告書では「国民」を新たに定義する文言が目を引いた。
「主権者国民は『自分自身』の代表となり得なかった既存政治の限界を超え、国民一人一人が権力の生成と過程に直接関与し決定する新たな国民の出現だ」というのだ。
文大統領は17日の就任100日目を記念する会見で、「真の国民主権の時代が始まったという確信を持つに至った」と述べた。
その二日前の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)のあいさつでも「ろうそく(デモによる)革命で国民主権の時代が開かれた」と言った。
三日後の国民報告大会という行事では、ついに「直接民主主義」とまで言った。「国民は間接民主主義では満足できない」「直接ろうそくを手に政治的意思表示をして、ネットのコメントを通じて直接提供するなどの直接民主主義を国民が求めている」と述べた。
直接民主主義は根拠もなく生まれたのではない。
文大統領が言う「国民主権時代の幕開け」とは、単にある抽象的概念を明らかにする程度を超えている。
文在寅政権における第1の作動原理と言える物だ。
国民、正確には人民(People)の名で国家と社会が回る原理を丸ごと変えようということだ。
その真の裏には派閥政治による国会や帝王のような大法院(最高裁判所)長官が支配する裁判所、陸士中心の軍、米国中心の外交ラインがある。 財閥や官僚中心の経済ももちろんそうだ。これが文大統領の考え方だ。
文在寅式政治を作動させる後ろ盾はやはり支持率だ。おととい発表された世論調査機関「リアルメーター」の平日世論調査で、文大統領の支持率は前週に比べ2ポイント以上アップした。
(中略)
「ヘリコプター福祉(ばらまき福祉)」や脱原発については専門家の70-80%が反対だ。それでも支持率ははね上がっている。
記者は、文大統領の支持率はすぐには下がらないと考えている。周囲のいろいろな人々と会話して得た結論だ。多くの人が「問題が多いということは知っている。不安な部分もたくさんある。だが、少なくとも1-2年はこのまま行かなければ」と言っていた。今、この国には、中産層から押し出されていると考える中産層が広く存在している。
不動産や株式という資産市場競争で勝利したごく少数を除く、絶対多数の人々だ。米国のジャーナリスト、ジョン・ジュディス氏が「全世界に衝撃をもたらしたポピュリズムの背後には『急進的中産層がいる』と言ったことを考えると、こうしたことは韓国だけではなさそうだ。
文在寅政権はこうした抵抗的・転覆的エネルギーを権力の基盤にして賢く利用している。
国民はその道を進むべきだと拍手しているのだ。
文大統領は今や「国民」を前面に押し出した「帝王のような大統領」になった。
均衡予算という数十年来の国家財政規律を破ろうと試み、企業に対しては料金を下げろと公に圧力を加えている。人事も破格の連続だ。公営放送に対する公の批判もためらわない。今後、さらに衝撃的な出来事もあるだろう。野党はこれをけん制する能力や名分の再生に成功できていない。
「支持率独裁」と言っても過言ではない状況へと向かっている。この実験的国政運営が成功するよう望んでいる。問題は、それが間違いだった時、果たして収拾が可能なのかどうかだ。数年後が心配だ。
辛貞録(シン・ジョンロク)論説委員
〜引用おわり〜
朝鮮日報もかなり否定的に韓国の直接民主主義的政治.の「国民主権」を見ています。
しかし、どの程度それが成功すると見ているのか不明です。経済政策も専門家は7.8割が反対していることを指摘するだけです。
本音は、失敗すると見ているのでしょうが、やはり、文在寅大統領の支持率の高さに完全に腰が引けています。
「支持率 独裁」などと吠えていますが、「もし間違いだったらどうするのだろうか」と距離を離れたところで吠えているだけで噛み付く勇気はないようです。
文在寅の国民支持の高さにビビっています。