息抜きタイム。大谷翔平選手の凄さの技術論的アプローチ。
シリア空爆はどうやら米国単独の軍事行動は避けられそうですが、英、仏両国との共同歩調による軍事行動の可能性があります。
まだどのようなものになるのかわかりませんが、英国の潜水艦が移動し、シリアを潜水艦ミサイルの射程距離におきそうです。
このような情勢を注意深く見ながら、今回は別のテーマを追ってみたいと思います。
今回のテーマは今アメリカでも大ヒーバーの「大谷翔平さん」です。
大リーガーの大先輩打者のイチローをしてただただ(只々)信じられないとあぜんとさせてしまった大谷翔平の活躍の秘密を技術的な面から今日は探ってみたいと思います。
まずは投手としての魅力は大きくて日本でも最速165k mのスピードボールを投げていましたので、投手としては大リーグで活躍できる能力はあるとみられていました。
がしかし、まさか打者としていきなりの三試合連続ホームランを含む試合の行方を左右する大事なヒットを打ち続けているのは、まさにミラクルでアメージングな活躍です。
このような劇的な成績を大リーグのシーズン当初から収めるとは誰にも予想されていませんでした。
本拠地の地元記者の予想でもシーズン直前までのオープン戦では投手としても打者としても成績が振るわず、まるで高校生とか、マイナー行きを「勧告」し、散々な酷評ぶりでした。
そういった中でも当の大谷選手は冷静に分析して自分の状態を把握し、環境に合わせて、準備ができていました。
それは驚くべきことです。
どのように環境に適応(アジャスト)したかの解説を試みようとするものです。
もちろん筆者には野球⚾️部にいたわけでもなく専門家ではありませんが、まあ耳学問的に過去に聞いたものも含めて、いくつかの解説を聞いてなるほどと思ったものを取り上げてみます。
まず二刀流のうち、投げるほうですが、日本球界に来た選手が大リーグに渡ってまず苦労するのが、ボールの違いです。
規格は同じはずなのに米国製は日本製と違うのです。どこに皆戸惑うかというと大リーグのボールはまず縫い目が粗く、均一でなく、しっかりと指にフィットしないそうです。日本製は縫い目が綺麗に揃っていて指にしっくりと合いやすいのです。
こんなところにも日本人の細やかな丁寧な仕事ぶりが窺えます。
そこで大リーグのボール縫い目にしっかりと指を合わせるのが難しく、ボールがすべってしまうのです。
オープン戦では大谷選手は指の感覚を合わせられたくて、特にフォークボールのコントロールが難しかったのです。
その点をまず開幕までに完全にコントロールできるように指先の感覚をアジャスト(適正化[したのです。
そして二戦目では5回まで完全試合のペースで二試合続けての勝利となりました。
次に打者としての苦労は大リーグ投手のいわゆる「動くボール」と呼ばれるボールを捉えることでした。
大リーグのピッチャーの投げる速球は、直球?なのに蛇の蛇行のように左右に揺れてくることに対応ができませんでした。
これまで大谷選手は他の多くの日本人選手のように投手側の片足を少し上げて投球が来るのを待ち地面に足を下ろす時の体重移動の反発力で打球に力を与え、また飛距離を伸ばそうとしてきました。
ところがそれでは大リーグ投手の「動くボール」に対応できなかったのです。
そこでオープン戦途中から足をあげず、地面につけたまま摺り足の要領で体重移動をして打つように修正しました。
大谷選手の打撃の特長は驚くほどのスイングスピードです。ゴルフをする人は知っているようですが、スイングスピードが速いほどボールを飛ばすことができます。
その特長を生かして出来るだけ体の近くまでボールを引きつけてスイングの鋭さで打球を飛ばします。
身体の出来るだけ近くまで惹き付けるのは「動くボール」をギリギリまで見極めることにあります。
これによって彼は大リーグの投手にアジャストする技術を身につけたわけですが、これは言うほどに簡単ではありません。
打撃理論は極端に言えば、百人の打者がいれば、最適のバッティングスタイルは百通りあると言われるほどです。
自分に合った打撃スタイルをコーチやいろんな人からアドバイスをもらうのですが、結局は自分で見出すしかありません。
大谷選手はアドバイスを受けてきたはずですが、打撃スタイルを、見事に自分のものにしてきたわけです。
例えば往年のホームラン王の王貞治さんが語っていたホームランバッターのボールを捉える位置について持論がありました。それはボールを身体の前でさばくことにあると断定していました。
どういうことかというと身体の前で捌かなければ、近くまで惹き付けるとボールを芯でとらえるのにはと間に合わなくてボールに差し込まれて「詰まった」打球になってしまうということでした。
したがって身体の近くに来る前に弓のようにしならせてボールを捉える独特の一本足打法を身につけました。
ホームラン打者の多くは前で捉えてフォロースローと言われるボールがバットに当たってからも大きなスイングをするスタイルになります。それで遠くにボールペンを飛ばせるわけです。
大谷選手の場合は前でのフォロースローを大きくするよりも打つ前の構えの肩の位置を高くしています。そうすることによって、ボールに当たるまでのいわばハックスウィングを大きくしてインパクトにスピードを与えているのです。
これだと身体が前に泳ぐことなく、頭の位置が全く動かず、常に安定した状態でバットが振れます。
こんな長距離打者はほとんど見たことがないはずです。
身体がぶれず、前のめりに泳がされることもないので相当打率も稼ぐ可能性が高くなります。
まあ、今現在にしてこうした技術を持っている大谷翔平はケガでもしない限り、素晴らしい成績を収めることになるでしょう。
彼のプレースタイルやパーフォマンスからさまざまな教訓が見いだせることでしょうが、それはまたの機会にに書きましょう。
今回はとりあえず、技術論的なアプローチをしてみました。