ttkzkn1610のブログ

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アップル社元社員のスパイ事件は熾烈な次世代の自動車開発競争が背景にあります。日本政府のリーダーシップは?

アップル社の元従業員のスパイ容疑事件の背景にあるのは世界的な車文化が最近のテクノロジー革新によって大きく変わろうとしていることです。

ここでも日本は立ち遅れが目立って来ていて、逆に中国はその一党独裁ぶりによって優位な面があります。

またこれまでの裾野の広い自動車製造産業がだ全く様変わりしてしまうことへの不安と戸惑いが既成企業の抵抗となっている面があります。これも国家主導ができる中国の優位があります。

自由主義体制を守るためには強引とも思えるトランプ大統領の中国封じ込め政策は理にかなっていると思います。

それでは先回同様に町田 徹氏の記事の続きを引用します。



〜引用開始〜


(熾烈な自動車産業の戦いの)

その背景にあるのは、イノベーションの4つの潮流である。「CASE(ケース)」(コネクティビティ接続性の「C」、オートノマス自動運転の「A」、シェアード共有の「S」、エレクトリック電動化の「E」の頭文字を取った技術革新の総称)や、「MaaS(マース)」(車を所有せず、使いたいときだけお金を払って利用するサービスMobility as a Serviceの略)といった新しい潮流だ。これらが、クルマの市場や商品性、利用形態を大きく変えるというのである。

既存の自動車産業がじり貧を避ける唯一の策は、市場や技術の変化の先頭に立って、モビリティのプラットフォーマーになること。さもなければ、巨大な成長の機会を逸するとみられる。自動運転技術は、こうしたキーファクターのひとつであり、既存の自動車産業だけでなく、世界の大手IT企業なども巻き込んだ大競争の場となっているのだ。

とはいえ、自動運転技術とそれを駆使するプラットフォーマーを育てるには、自動運転車の回りを取り巻く他の交通の情報の収集やそれらにあわせた最適な操縦制御などのノウハウを蓄積するため、壮大な公道での実験が不可欠になる。

ところが、先進各国には、既存の国際条約がネックになって、こうした実験場所が提供しにくいという事情がある。例えば、道路交通に関するジュネーブ条約は、クルマの走行に運転者が関与することを前提としており、批准した国々は法律でクルマ任せの運転を認めないことになっている。

いち早く、そうした条約の縛りをかいくぐって、公道での実証実験を可能にしたのは、アメリカのカリフォルニア、アリゾナ、ネバダといった州だ。アメリカの常とう手段だが、連邦政府は条約に縛られても、州は縛られないという理屈を用いて、各州が独自に規制緩和を進め、一般の人を乗せた実証実験に道を開いたのである。


デトロイト3と呼ばれるアメリカの3大自動車メーカーやアメリカのIT企業は、すかさず、この状況を利用して実証実験に乗り出した。テスラのように、実証実験段階の自動運転技術を商品化するところまで現れたのだ。


米中自動運転戦争

こうした動きに対して、日本のトヨタ自動車やフランスの部品大手ヴァレオなどが出資するベンチャー「ナビア」も追随。また、ドイツのダイムラーとボッシュは、来年後半から完全自動運転の無人タクシーを使ったサービスを試験的に開始するという。

一方で、拙速だった企業は代償を支払うことになった。事故が相次いだのである。半自動運転プログラム「オートパイロット」を搭載したテスラ車は今年に入って、1月にカリフォルニア州で停車中の消防車に突っ込む事故を起こしたほか、5月には同じくカリフォルニア州で停車中の警察車両に衝突。

さらに6月にはユタ州において赤信号で停車中の消防車に突っ込む事故を起こしている。テスラは「事故の責任はドライバーにある」としているが、3月23日には高速道路を走行中に中央分離帯に激突し、別の2台と衝突する事故があり、運転手が死亡する事故もあった。

さらに衝撃的だったのは、ウーバーの自動運転車が今年3月、アリゾナ州で車道を渡る女性をはねて死亡させた事故だ。この事故は、他社も含めて、自動運転車が初めて歩行者を死亡させた事故として記録されることになった。この事故を受けて、アリゾナ州はウーバーに与えていた実験許可を取り消す騒ぎになった。


こうした紆余曲折を経ながらも、世界の企業はアメリカの各州で競って実証実験を重ね、自動運転技術の開発を加速させている。

アメリカとは対照的に、昨年、国家主導でモビリティ都市の建設を打ち出したのが中国だ。習近平政権は、2035年に北京市の南西約100キロメートルの農村「雄安新区」に新たな都市を建設、世界で初めて、個人の乗用車をすべて自動運転にするという。現状では、自動運転技術の開発は、各州の公道での実験が盛んなアメリカがリードしているが、中国も急速に追い上げていると見てよいだろう。

この中国の手法は、企業の自由競争をテコにしてイノベーションを実現しようというアメリカの手法とは真逆で、今なお一党独裁を続ける共産党がすべてを取り仕切る。インフラや法制度を国家主導で整えて、技術を蓄積する「新・開発独裁」とでも呼ぶべき方策である。

そもそも先進各国のように、中国はレベルの高い自動運転の実証実験の足かせになるジュネーブ条約を批准していない。共産党がこうと決めれば、法規制などの環境整備がいとも簡単にできる体制だ。

「雄安新区」への総投資額はおよそ35兆円とされ、2022年には基礎インフラを整えるという。最終的な面積は東京都に匹敵する2000平方キロメートル規模になる予定で、将来の人口は200万人以上を見込んでいる。


「雄安新区」構想が有利なのは、自動運転車を前提に都市設計をすることだ。道路や鉄道などの大部分の交通インフラは地下に構築する計画なのだ。これにより、各国で最大の課題となっている、自動運転車と歩行者や非自動運転車との調和という難題が生じない。地下の自動運転車用の道路には歩行者を入れないので、ウーバーが3月にアリゾナ州で起こしたような死亡事故が起こらない環境にできるというわけだ。

国家プロジェクトのリーダー格のお墨付きを得た中国のネット大手バイドゥ(百度)は、雄安新区が位置する河北省政府とAI(人工知能)を取り入れた運転技術の研究を開始したほか、国営のチャイナテレコムとも5G(第5世代移動体通信)の使用試験を始めたという。

今月4日には、自動運転バスを実用化したと発表したほか、ソフトバンクグループと提携、日本に自動運転バスを10台輸出して実証実験を始めることも明らかにした。「日本では高齢者の多い団地などで運用していく」としている。ソフトバンクは中国への資金供給にも熱心だ。ある米系企業は、ソフトバンクの強い勧めがあって、同社幹部の訪中の際に中国への1000億円規模の出資を手土産にしたと聞く。

遅れる日本

実際のところ、海外の自動車・IT大手も雪崩を打つように中国にシフトしている。バイドゥが主導する開発プロジェクトには米フォード・モーター、独ダイムラーに加え、米インテル、マイクロソフト、アップルなどがずらりと顔を揃えている。

アメリカと中国の主導権争いは、産業・開発政策の面からも目を離せない。アメリカ型の競争促進は自由な発想とイノベーションの宝庫で、歴史的に大きな成功を続けてきた。


が、中国は、今や世界一となった巨大な自動車販売市場を持つ。開発独占方式に加えて、なりふり構わぬ知的所有権の侵害を続けるようならば。アメリカの優位性が揺らいでも不思議はない。この2国間の先陣争いは、先端技術開発の方法論の違いや政治的駆け引きを含めて、その行方が注目される。

一方、EUのビオレタ・ブルツ欧州委員(運輸担当)は5月半ば、英経済紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、先行するアメリカと中国に追いつくべく、EU共通の自動運転車に関するルールを作成する方針を表明した。EU域内ではこれまで、ドイツやイギリスなど数カ国が独自に自動運転車の公道走行に関するルールの導入に動いているものの、現時点でEU共通の自動運転車に関するルールの枠組みがないことに対応するというのである。

この中には、ルール作りのためのEUと加盟各国、業界の新たな協働や、自動運転車の走行支援に必要な道路・通信ネットワークへの4億5000万ユーロ(約590億円)の投資などが含まれる。新たなビッグプレーヤーの参入として注目すべきだろう。

これらの国や地域に対し、日本もいよいよ実証実験に乗り出すらしい。国土交通省の自動運転戦略本部は今年3月公表の「自動運転に向けた今後の国土交通省の取り組み」の中で、「1名の遠隔監視・操作者が複数の車両の担当する自動運転技術の検証や社会の受容性の実証評価」に乗り出す方針を表明した。

2018年度中に、全国の4カ所で始め、住民が利用する際に問題が起きないか検証するのだ。背景には、政府が最寄り駅と自宅や病院、観光施設などとを結ぶ「ラストマイル自動運転」を2020年にも実現する目標を掲げていることがある。


実験対象地域は、市街地、過疎地、観光地を想定、石川県輪島市、福井県永平寺町、沖縄県北谷町で4~6人乗りの小型カートを、茨城県日立市で小型バスを走行させるという。この実証実験は、限定区域を完全に自動で走る「レベル4」で、自動運転としてはレベルの高いものになる。

気掛かりなのは、同実験も、政府のラストマイル自動運転構想も、「人手不足が目立つ」という理由で、地方の過疎地などに重点を置いていることだ。ここで、世界的に普及しているウーバーのライドシェアサービスが日本で普及しなかったのが、自動車メーカーやタクシー業界らの既得権者が政治的な圧力をかけたからとされていることを想起してほしい。

政府も国土交通省もこうした状況を無視できず、実験やラストマイル自動運転構想の対象を過疎地や市街地、観光地に絞り込まざるを得ない事態に陥っているのである。

人口減少や高齢化、人手不足は全国的な問題だ。筆者は、都内でさえ、ドライバー不足に悩むコンビニの配送事業者や一般の運送会社から、「必要な人材を確保できない」という切実な悲鳴を聞くことが珍しくない。

このまま3大都市圏の主要部などで、自動運転技術を含む「CASE」や「MaaS」への対応を先送りし続ければ、消費者が技術革新の恩恵を受けられず、世界的な生活水準の向上という潮流からに取り残されることになりかねない。経済社会の効率化もままならないはずだ。政府や国土交通省は、既得権に過保護すぎる行政と決別すべき時を迎えている。

〜引用終わり〜


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この記事の最後は国のリーダーシップのあり方に苦言を呈しています。

その国の真の活力は政府にあるのではなく、民間にあります。その活力をどう引っ張っら出していけるかかが政府の役割です。

親に全ての権限があって子供はそのレールの上にあればうまくいくという明治維新から、高度成長までの時代ではありません。

中国のように国家つまり政府の権限が無茶苦茶強い国はいっときは良くてもやがて崩壊していきます。

政府がなんでも権限をふりかざす発展途上国タイプの開発や私達が目指すものではありません。

中国との対決は社会制度の対決ですから、次世代の自動車開発に限らず、民間活力を爆発的に引き出せる社会を作っていく必要があります。

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