今回の北朝鮮によるミサイル発射実験はアメリカの先制攻撃を早めかねない。鍵は日本にある。
安倍・トランプ会談が日本にとって大成功と言われる中、注目のゴルフ後の夕食中に北朝鮮によるミサイル発射の一報がはいり、雰囲気は一変しました。
トランプの大統領当選後初めての北朝鮮によるミサイル発射実験はいろいろな意味においてこれまでのミサイル発射実験とは根底から異なります。
韓半島の審判が一気に現実のものになってきたことを意味します。
早速、韓国の尹外相が、米国の先制攻撃論が米議会、学者の間で高まっていることを国会の委員会で認めました。
北への先制攻撃論、米で高まっている…韓国外相 : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
さらに米政権の内部でも一部分析、検討が行われていることが予想されるとしています。
それではなぜこれがこれまでとは全く意味が異なる局面になるかをお伝えします。
まずトランプ大統領は実行の人であるということです。
就任以来、選挙中に公約していたことも大統領になったら さすがにやらないだろうといかに選挙民に約束してきたとはいえ実行が疑問視されてきたことを次々と大統領令を出して現実化しています。
北朝鮮が米国を核で脅かすことは「ありえない」と明言しました。トランプならやるだろう、やりかねないということは金正恩も承知しているに違いありません。そこで微妙な距離、すなわち新型の“中距離ミサイル”を打ち上げました。その意味では脅しは限定的と言えるでしょうし、様子見の部分もありそうです。
報道では飛距離は三千キロといわれアメリカ本土には届かず、アメリカの領土の基地のあるグアムが届くミサイルと言われます。
しかし、トランプ大統領は慌ただしく、すぐに夕食後日米の共同声明を出しました。
また今回のミサイル発射は北朝鮮にとって画期的な技術の進化があり大いにトランプ大統領を刺激しました。
つまり北朝鮮に先制攻撃の可能性をいち早く検討せざるを得なくなったのです。それは両首脳の深刻な表情に顕れています。
会談が成功だったと喜んではおれない状況です。少し長くなりますが、北ミサイルの技術的改善点に触れてみます。(関心のない方はこの段はとばしてください。)
まず今回の発射 は移動用の車両から移動サイロからなされました。このような移動車両からの発射はこれまでは大きなタイヤで動いていましたが今回は戦車と同じキャタピラで動くタイプでした。これなら山間部での移動やでこぼこでの場所での移動が可能でミサイルを見つからない場所からの発射ができるようになりました。
また発射装置か潜水艦からの発射可能なタイプであり、ガス圧力で地上から打ち上げ、その数秒後にロケットが点火して上昇する技術を成功させたことです。これは潜水艦に転用が可能であることを意味します。潜水艦に配備できれば、密かに米国本土に近づき、防衛不可能なミサイルを発射できることになります。
(まだ潜水艦の技術が追いついていないようですが。)
また、発射準備に手間取る液体燃料から常備しておける固体燃料への転換に成功しています。液体燃料は一定時間をかけるとミサイル本体を侵食してしまうため発射寸前に注入しなければなりませんが、その動きを衛星で捉えられたりします。固体燃料で発射できれば、少しでも早くミサイル発射を確認して、防衛側が撃ち落とす体制を遅らせる効果があります。
さらに北朝鮮は中距離とはいえ、大気圏外を出てから再突入することも技術的にクリアしているとしていてこの技術があれば、大陸間弾道弾に使えることになり、で米国の直接脅威となります。
今の段階で直接米国本土を標的にすることまでには至っていないようですが、少なくとも日本全域はいつでも可能です。 米国が、日本がそんなに大事なら我々は日本を打つぞと威嚇と牽制しているように見えます。
トランプ大統領は日本を100パーセント支持すると言っています。トランプ大統領は日本を核戦力、通常戦力のあらゆる攻撃手段を持って日本を守ると明言しました。 さらに必要なら(日本が、アメリカと同じ感覚ならば、つまり日本の要請があれば、)アメリカによる先制攻撃の可能性が強まることを示唆するものと私には聞こえました。