中道といわれる安哲秀候補が大統領になれば、安心か? むしろ戦争の危険性は高くなります。
韓国大統領選挙も白熱してきました。安哲秀候補が先行していた文在寅候補に追いつきつつあり、一部報道では既に追い抜いたとの報道もあります。もちろん文在寅候補の巻き返しもありますし、戦術変更として条件付きながらTHAADの配備も進める移行すら示し始めました。まさになりふり構わない姿勢です。
韓国ではここにきてさすがに北朝鮮の脅威を恐れて、アメリカとの関係を悪化させたくない世論が動き出しだというわけです。
左派の 文在寅候補もそれを無視できなくなってきましたが、いかにも票欲しさの変節漢の面目躍如というところでしょうか?
北朝鮮との親密度は変わるとは思われません。時期を見てまた擦り寄ることでしょう。
もし政策的に韓国国民が現実的対応をして選択すれば,中道を標榜している安哲秀候補が大統領になるかもしれません。
しかし、彼の政権ができたとしてもすぐに行き詰まることでしょう。文在寅候補ほどの支持基盤もなく、行き当たりばったりの世論をあてにするしかなく、不安定な政権運営が予想されます。中国からのいじめもエスカレートしそうですし、経済的に窮地に追いやられそうです。
ともかく在韓米軍は撤退はしないし、嫌気のさした朴槿恵保守政権からはサヨナラできてホッとしたかった国民の声の受け皿となったのだからこれで平和だけでも確保できればいいかなというところかもしれません。
それでは安哲秀が大統領になれば一安心でしょうか?
しかし、私の予想ではかえって戦争の危機は深くなると思います。
金正恩はこれでもかなり自制的な動きでアメリカの圧力を前にしても暴発する可能性は低いだろうと考えられます。
なぜならアメリカの作戦が展開されても核攻撃以外にも反撃能力があって、1994年当時当時のクリントン大統領が北朝鮮への軍事制裁を検討した際、100万人と言われる犠牲者がでるというシュミレーションが出て断念しました。
現在ではそこまででなくてもやはり数十万と言われる犠牲を韓国はもちろんアメリカも無視して決行はできません。ミサイルは日本にも達して被害が予想されます。
それを見越せばアメリカの作戦決行はほぼ不可能です。今問題なのは北朝鮮の六回目の核実験です。それが今実行されればアメリカは重大な決断を迫られます。アメリカは決断を示唆していますが、脅しに過ぎないとなればさらに金正恩の瀬戸際戦術はエスカレートさせる可能性があります。
すると韓国、日本を無理やり説得して軍事行動を強行する可能性は低いと断言することはできません。
それを見越しておそらく北朝鮮は核実験を当面しないでしょう。
それも韓国大統領に文在寅が当選することを予想しているからです。自分に都合の良い政権が韓国にできるのに自分から破綻させる必要はないでしょう。
ところがあまり親密でもない安哲秀が当選すれば、利用できる価値をしばらくは検討するかもしれませんが、アメリカに追随すると分かれば、国内を引き締めるためにもさらに強行な手段を選択するでしょう。
もちろん六回目の核実験」アメリカ本土に届く大陸間弾道( ICBM )の完成をますます急ぐでしよう。
そうなればアメリカとの激突は避けられずあと一年が山となることでしょう。
それを想定して準備しなければなりません。
これから韓国もそうですが、日本でも対応を深刻に検討して準備に入ります。
アメリカはもちろんですか、中国さえもアメリカが軍事行動をとっても黙認あるいは牽制するためにもアメリカの軍事行動の背後で北朝鮮に進出するかもしれません。(義勇軍あるいは瀋陽戦区の軍閥化した江沢民派の軍隊が出てきて権益確保に動くかもせれません。)
東西分裂のドイツまではいかなくても西側との妥協による共同統治、さらに韓半島全体からのアメリカ軍、その他の外国軍隊の撤退を主張したりして苛烈な交渉の末、北朝鮮という国は消えることでしょう。トランプ大統領の指導力が消えていれば、韓半島全体が中国寄りのいわばアメリカ、中国との間の巨大な緩衝地帯となることも検討されるでしょう。
その時、今までの韓国も消えるということになるでしょう。