ttkzkn1610のブログ

今後ますます混乱し、崩壊の危機が迫る統一教会に対して快刀乱麻、収拾を目指します。本来の姿に再生させるには、自由闊達な議論のもと、各人の主体的判断による後継者の選択と真のメシア観の確立が最重要課題と確信しています。

北朝鮮の国民は今どう思っているのでしょうか?早く解放されたいのでしょうか。

今まで韓国民の分析をしてきましたが、それでは北朝鮮の人々はどのように感じたり、考えたりしているのでしょうか?

今のところ独裁政治が崩れる兆候はほとんど見当たらないようですが、北朝鮮社会も次第に変化はしていています。

去年の12月の記事を文春がオンラインで掲載しているので、参考になります。

まだ南北会談の様子がどのように伝わり、どんな反応があるのかまではわかっていませんが、最近では携帯電話を持つ人も増えたようです。

携帯電話からの取材です。長くなりますが、面白いので全文乗せてみました。


文春オンラインからの引用です。

〜引用開始〜

携帯電話を持つ北朝鮮市民14人に直電 「金正恩委員長をどう思いますか?」

「ミサイルで飯は食えない」「私も韓国に行きたい」

朴承珉

国際社会の非難をまったく顧みない金正恩政権は、国内でも恐怖統治を続けている。

今そこに生きる人々は、どんな生活を送り、何を考えているのか――。

携帯電話を持つ北朝鮮市民を探し、直接取材を行なった。

国際社会の非難や制裁も顧みず、核実験やミサイル発射を強行する北朝鮮。金正恩・朝鮮労働党委員長はアメリカへの威嚇を止めず、反発を強めるトランプ大統領との間に対話の糸口は見えない。

 北朝鮮で暮らす普通の人々は、金正恩体制をどう受け止め、現在の情勢をどう感じているだろうか。また彼らの生活は、どう変化したのか。

 中朝国境近くに住む北朝鮮市民の中には、中国の携帯電話を持つ人がいる。中国人と商売をするためだ。そんな北朝鮮市民を探し、携帯電話で直接取材を行なった。2017年9月中旬から10月下旬にかけて、高校生から60代までの男女と通話した。


戦争でも起こったほうがいいですよ

(1)ナム・ヒョンジョン(35歳・女性)

──お仕事と暮らしぶりは?

「10日ごとに開かれる市場で服の商売をしていますが、あまり売れないので辛いです。1万ウォン(実質レートで約140円)稼ぐのも大変ですよ。日本の高級服が入ってきたとき(2006年の核実験で経済制裁が始まるまで)はよかったんだけど、いまは中国服だけ。たまに韓国服も入ってきますが、売って見つかったら捕まって大騒ぎになりますからね。

 ウチの夫もそうですが、男たちは仕事がありません。“ワンワン犬”と呼ばれています。家を守っているだけ、という意味です(笑)。国は仕事をくれません。仕事をさせれば、配給をしなければなりませんからね。それなのに、税金はいろいろな名目でたくさん納めなければいけないんです。

 食糧の値段が上がって、生活はますます厳しいです。米の値段が、去年は1キロ4300ウォンだったのが、いまは5500ウォン。以前は収入がいい日は5キロ買えたけど、いまは多くて2キロ。私たちには、1200ウォンの差はとても大きいお金ですから」

──金正恩委員長について、どう思うか。

「あー(とため息)、年齢が30代だから、初めは祖国統一とか大きな変化が起こると思ったけど……。核兵器の製造は、敵も死んでしまうけど、私たちも死ぬのに、あの人がなぜあんなことをやっているかわかりません。首領様(金日成)の頃は、私たちはこんなに大変ではありませんでした」

──異母兄の金正男氏が海外で暗殺されたが、知っているか。

「うわさは聞いています。韓国の歴史ドラマを見ると王権を握るために兄弟を殺してますけど、同じようですね。怖いと思いました」

──核実験やミサイル発射のせいで、米朝間が緊張していることは?

「アメリカの奴らが死んでも日本の奴らが死んでも、戦争でも起こったほうがいいですよ。私たちは、こんなふうに死んでも、あんなふうに死んでも同じだから」

──国際社会は、中国やロシアに対して「北朝鮮への石油供給を止めよ」と言っているが?

「経済制裁を強めても、幹部たちは前と同じように暮らすでしょう。私たち百姓だけが死んでいきます」


特別警備2号が発令

(2)ソ・サンドン(25歳・男性・軍人)

 国境警備隊に勤務するソ氏は、質問を始める前に「秘密保障はきちんとできますか」と確認を求めた。

──9月9日は北朝鮮の建国記念日だったが、特別な行事や上部からの命令があったか。

「特別警備2号が発令されました。核実験とミサイル発射で、情勢が緊張しているからです。勤務は3組から5組に増え、潜伏勤務だったのが巡察勤務に変わりました」──ミサイルや核実験をどう思うか。

「核開発は自主国防と思います。核を持てば、プレゼント(経済支援や食糧支援)を贈ってもらえるんじゃないですか」

──トランプ大統領の印象は?

「軍隊内では、戦争の狂信者だと言っています」

──金正恩委員長をどう思うか。祖父・金日成、父・金正日との違いは?(この質問を聞くと、彼はため息をついて数秒間沈黙した)

「必ず答えなければいけないのですか。金日成首領様のときは、とてもよかったそうです。その後は、あまりよくありません。金正恩委員長は、金正日将軍様と似ています。たがを締めすぎています」

──最近、中朝国境では市民たちが渡江(国境の川を渡って脱北すること)しているか。

「あまりにも締めるから(取り締まりが厳しいから)脱北は難しいです。銃殺もするから、容易ではありません。私も、目をつぶって送ってやることはできません」

 国境を守る警備隊の兵士は、川を渡って脱北する人々を見逃す代わりに謝礼金を受け取ってきた。それができなくなったので、「来年には除隊するのに、お金がない」とソ氏は言った。


アメリカの犬豚野郎

(3)チェ・ウンシル(55歳・女性)

「私は主婦です。夫は自動車の運転手です」

──核実験やミサイル発射をどう思うか。

「テレビで見ましたけど、とても嬉しくて素晴らしいことですよ。私たちは、金正恩元首様のお言葉通りに従います」

──核開発の費用で食糧配給をしてくれたほうがいいとは?

「家で家事をする者は、そんなことまで考えていません」

──アメリカと北朝鮮の間で、緊張が高まっているが……(ここまで話すと、まだ質問が終わっていないのに、彼女は声のトーンを高めて興奮しながら、アメリカの悪口を言い始めた)。

「アメリカは本当に悪いヤツです。私の前にいたら、ズンと踏んで殺したいです。おばさん同士で『アメリカの犬豚野郎ども』と話します。戦争したって、我々はびくともしませんよ。金正恩元首様がいますから、心配ありません。だから私たちは、市場に出て商売して食べていくことだけに神経を使っています」

 北朝鮮政府の「我々が困窮するのは、すべてアメリカの経済制裁のせいだ」という宣伝が、浸透しているようだった。

(4)ユ・ヨンス(28歳・男性・大学3年生)

──学校生活の様子は?

「いま(9月下旬)は農村戦闘期間中です。秋の収穫と脱穀のために40日間、動員されています。学校で必要なお金は、中国の人と物々交換しながらちょっと儲けています」

──核実験やミサイル発射について、学校ではどう話しているか。

「教授らは微妙な部分なので言及しませんけど、学生たちの意見は2つに分かれます。賛成する人が60%程度でしょう。軍隊生活のあとに大学に入った人たちは、社会生活を知らないから誇りをもっています。気の毒ですね。僕たちはイライラしますよ。ミサイルを発射しても飯が出てくることはないし、利益にならないから。気が合う友達同士で集まると、否定的に話します」

──友達同士で、金正恩委員長についてどう話すか。

「ご存知でしょうけど、金日成首領様から繋がっている偶像化を、金正恩がやろうというんですよ。首領様のときは少し業績もあったけど、金正日が完全に台無しにしてしまった。金正日は、自分だけ1万ドルのワインを飲んで、我が人民はたくさん飢え死にしたじゃないですか」


社会主義でもなく、資本主義でもない。これが国ですか?

 北朝鮮のほとんどの人は、金日成だけは主席や首領様という敬称をつけ、正日、正恩は呼び捨てにする。28歳のユ氏でさえそうなのだから、金正恩が髪型や帽子・服など祖父の真似をして「遺訓統治」をしている理由がよくわかる。

「金正恩は仕方なく地位を継承したけど、何かをやるという言葉だけで、やったことがありません。誰を撃ち殺した、という話は聞こえますけどね(幹部の処刑のこと)。我が国はいま、社会主義でもなく、資本主義でもない。これが国ですか?」

 韓国で朴槿恵・前大統領の退陣を求めるロウソクデモが真っ盛りだったころ、「これが国か!」というスローガンが溢れた。まったく同じ言葉だったので、苦笑してしまった。

「社会主義というのは、国家が国民に供給をしなければならないのに、金正日のときから一度も実行されたことがありません。言葉だけです。中央放送局が今年は配給してくれると言うけど、食糧がないのにどうやって配給しますか」

──金正男氏が海外で暗殺されたが、知っているか。

「韓国のラジオ放送を通じて聞きました。それだけ金正恩が不安を感じているのでは? 金正恩の側近たちは、朝鮮時代500年をどのように統治していたか研究しているそうです。だから、兄弟の存在がもっとも危険だと思ったのでしょう」

──米朝間の緊張には、どの程度の危機感をもっているのか。

「ご存知のように、我が国はアメリカと常に対立していて、南朝鮮(韓国)とも緊張しない時期がありません。人々の意識は、慣れてしまったといえますね。『アメリカが私たちに戦争を仕掛ければ第3次世界大戦になるから、中国とロシアがそうさせないだろう』と考えています。僕もそう思います」


(5)キム・ハンス(52歳・男性)

──お仕事や暮らしぶりは?

「(中朝国境の)鴨緑江周辺で、中国人と少し密輸をしているよ。自転車やバイクを月に200ドル分ほど持ち込んで地方に販売してるけど、最近は情勢が悪くて商売が大変だ。中国の制裁で、1リットル=1.2ドルだったガソリンが1.8ドルになった。走っている車がかなり減ったね。しかし我が国は、昔とは違う。昔は商売もできなかったけど、最近はみんなが商売しているから生活水準が上がった。金さえあれば、なんでも買えるよ。少し困窮しているだけで、食べる問題はなくなった」

 中国との商売は米ドルベースで行われている。

──米朝間の危機について。

「我々は常に国民や軍隊が覚醒されていて、祖国はいま準戦時状態に入っている。いつでもアメリカの奴らと対抗する能力をもっているから、怖くないね。我が国は核を持っているし、火星12号や火星14号を発射したじゃないか。それについて矜持をもっているから、どこの国も怖くないんだ」


戦争が起これば無条件に勝つと思っています

(6)パク・スジョン(16歳・女性・高校生)

 電話をかけると、「ヨボセヨ!」とあどけない声が聞こえてきた。方言もアクセントも、北朝鮮の住民にしてはひどくない。

──核実験とミサイル発射について学校の先生はどんな話をする?

「我が国の誇りだと自慢気におっしゃっています。私自身も、かなり誇りに思っています」

──核開発にかかるお金で北朝鮮の住民1年分の食糧を配給できると言われているけど、食糧事情もよくないのに核実験するのが望ましい?

「私たちの国は弱いから、核を保有していれば強くなるんじゃないでしょうか」

──アメリカとの間でかなりの緊張状態だが、どの程度危機感を感じているのか。

「私たちは怯えないし、戦争が起これば無条件に勝つと思っています。我が国は、軍事力が強いと思うんですけど……」

 外の世界の情報に接することのできない北朝鮮の高校生としては、普通の認識かもしれない。

──金正恩委員長について、親しい友達とどのように話すのか。

「父のような存在だと思います」

──悪く言う人はいない?

「なぜ悪く思うのですか?」

 質問の意味が理解できないようだった。

──金正男氏が海外で暗殺されたことは知っている?

「いま初めて聞きました」

──(事件の概略を簡単に説明し)どう思う?

「過ちをしたら、罰を受けなければならないでしょう。何かが間違っていたから、元首様からそのような命令が下ったのではないでしょうか」

 驚く気配もないのは、公開処刑がよくあるせいかもしれない。

──流行の物や欲しい物は?

「携帯電話です。クラスは30人ですが、5人ほどが持っています」

 この通話は、知人の携帯を借りているのだそうだ。


先生への賄賂が授業料

(7)ファン・ジェヒ(36歳・男性)

──獣医だそうだが、国の仕事だから待遇はいいのでは?

「(大きくため息をついたあと、苦笑しながら)配給が10日分か15日分出るときはありますが、商売しなければ誰も食べていけませんよ。この季節はマツタケを売ります」

──最近では、飢え死にする人はいないのでは?

「以前よりよくなったとはいえ、死ぬことができないから生きているだけです。いまの季節は、飢えて死にません。野原に出れば、穀物を泥棒して食べられますからね」

──金正恩委員長について。

「以前は、みんなで集まっても体制批判するのは容易でなかった。でもいまは、祝日や誕生日に集まってお酒を1杯飲めば、最高指導者に対して悪口を言い合います。『自分だけ飯を食らって腹がいっぱいだから、あんなことをしている』と。庶民が食べていくのに、核やミサイルなんか必要ないじゃないですか」

──金正男氏が海外で暗殺されたが?

「その人が大統領になりそうだから殺したという話が、村で広がっています。叔父の張成沢も殺し、兄も殺すのだから、私たちが何か失敗すれば『この野郎、子牛め!』と言って撃ち殺すのは簡単です」


(8)チャ・ユンヘ(24歳・女性・大学3年生)

 保衛部に監視されていないかという不安が、震える小さな声から伝わる。「受信状態がよく、周りに往来する人がいない山に登って電話を受けている」とチャさんは言った。

──学校生活はどんな様子か。

「寮生活をしています。学生同士でひと月に30万ウォンほど、生活費を出し合っています。家からもらうお金では足りないから、商売もしています。粉せっけんや飴やお菓子を卸売りで買って、自分で小さく包装して、田舎に行って売るんです。

 先生たちに賄賂を渡す以外に、授業料はかかりません。1人の先生に最高で50万ウォンを渡したことがあります。いくら勉強を頑張っても、賄賂を渡さなければテストの成績はよくなりません」

 北朝鮮の大学教授には、給与がほとんど支給されない。国は給与の支払いを学生に押しつけているのだ。

──核実験やミサイル発射について、大学ではどう教えているか。

「ときどき講堂で糾弾会を開いて、先生たちが『我が国が核やミサイルを持って強くなったから、侵略されない』と言っています」

──あなたの考えは?

「国は核を持っているから安全だと言うけど、人民はそう思っていません。私は、食糧事情を少しでもよくしたらいいと思います。商売しながら勉強するので、とても疲れて生きられません。暮らしがだんだん上向くことはないし……」

──米朝間の緊張について、どの程度、危機感をもっているのか。

「生活があまりにも大変だから、『なるようになれ。今日にでも戦争が起こったらいい』と思っています」

 北朝鮮市民の「戦争が起こったらいい」は、いつも聞く言葉だ。苦しい生活のため、何らかの変化を望む気持ちにほかならない。

 このチャさんは、卒業後は教養園(幼稚園)の教師になるそうだ。


このほか、中国との国境近くに住む3人と通話した。刑務所から出てきたばかりという46歳の男性(9)は、「アメリカの核の脅威を受けているのだから、核開発は当然だ。アメリカは昔から『攻撃する』と言っているが、いままでできずにいるのだから、怖くない」と言った。

 餅を作って市場で売っているという61歳の女性(10)に、金正男氏暗殺について訊くと、「うわさは聞いたけど、公表していないから人民は知りませんよ。(金一族の)子供が何人か、奥さんが何人か、まったく知りません。誰が兄で誰が弟なのか、私たちはよくわからないのよ」との答えだった。

 北朝鮮市民の6割が暖房に使っているという練炭を作って売る50歳の女性(11)に「欲しい物は何か」と尋ねると「世界情勢を知るにはラジオが必要です」と答えたので驚いた。食べ物や生活用品よりもラジオとは。それだけ、外の世界のニュースに飢えているのだろう。

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チョッパリの奴ら!

 次いで、首都・平壌に住む3人の話を紹介する。韓国から直接電話はかけられないため、中朝国境の知人を経由して取材する形を取った。

(12)イ・ソンホ(38歳・男性)

 中朝国境近くに住む男性に質問事項を託し、平壌在住の同郷の後輩イ氏に電話をかけて録音してもらった。イ氏はこの時点では、日本の雑誌の取材であることを知らない。

──最近どうしてる?

「食べて生きていくのに辛くて。去年より大変ですよ」

──平壌はいいほうじゃないの?

「そう思うなら、(平壌に)上がってきてください。ガソリンが値上がりしてタクシー代も上がったから、みんなバイクを買いたがっています。でもナンバーを取るのに、1000ドルかかります」

──核実験やミサイル発射を引き続き行っているけど、ミサイルが日本上空を通過したのも知っているよな。日本といえば、思い浮かぶものは?

「急に何をそんな、保衛部が尋問するように。ハハハ」

──地方では、平壌の人たちがどう考えているかわからないからね。

「チョッパリ(日本人の蔑称)の奴ら! すっきりしたじゃないですか。だけど、こんなことを続けないでほしい。人民班からしょっちゅう講堂に集められて討論や総括をしたり、正直言って飽きるじゃないですか。もう静かになったらいいな。戦争をするなら早くすればいいし」

──トランプ大統領をどう思う?

「荒れ狂ってる印象ですね。でも誰がアメリカの大統領か、平壌でも知らない人は多いですよ」



──金正恩将軍様について、平壌の人たちはどう思うの?

「え! どうして急に、金正恩将軍様について聞いてくるんですか。お兄さん、どうした急に。電話でこんなことを聞く?」

──平壌は、核心(中枢)階層じゃない? 地方の考えと平壌の考えがどう違うのかわからなくて。金日成首領、金正日将軍、金正恩同志を比較したら……。

「(少しいらついた声で)お兄さん、これ盗聴されるよ」

──だから、早く言ってくれよ。

「(小さな声で)狂った野郎! 狂った奴! もうやめましょう」

──兄の金正男氏が殺害されたのを知っているか?

「党の新聞を読むと、南朝鮮が捏造した事件を北朝鮮がやったように転嫁した、と書いてある。一方で、本当は我が国(の工作員)が出て行って暗殺したといううわさも流れていますよ。聞かれるから答えたけど、お兄さんはまさか保衛部のスパイじゃないでしょうね?」

 率直な声を聞いた後、先輩から取材の旨を説明してもらった。

これ、盗聴されてない?

(13)チョ・ミヨン(42歳・女性)

 国境近くに住む男性から、平壌の工場で働く親戚の女性への電話。

──最近、暮らしはどう?

「どうやってよくなるの? 大変よ。制裁のせいで物価が上がるし。ガソリンが上がったから、3台あった工場の通勤バスが1台に減ったのよ。燃料の心配、食べ物の心配。10日分の配給で、ひと月暮らさなきゃいけないんだから。最近は、地方のほうが暮らしやすいんじゃない?」

 地方は配給が途絶えて久しいが、平壌ではまだ出ているようだ。

──核やミサイル実験をどう思う?

「国防にたくさん投資するから、こんな生活になっているのが現実じゃない?」

──金正恩同志をどう思う? おじいさんやお父さんと比べたら?

「なぜ急にそんなこと聞くの? これ、盗聴されてない? 勝手なことしゃべると、追放される心配があるの。平壌は怖いのよ」

──金正男氏暗殺を聞いた?

「知らない。報道しないから。殺されたの?」

 チョさんはこの後、金正男氏殺害事件に関心を持ち、逆に質問を重ねてきた。こうしたニュースは、地方に住む人のほうが詳しいのだ。


私も韓国に行きたい

(14)ソン・スジ(21歳・女性・大学生)

 国境に住む叔父から、平壌在住の姪への通話。姪は、名門大学に通う学生だ。

「いま学校から帰って来て、疲れて寮にいます。そろそろ試験期間なので、タバコがなければ試験を受けられませんよ」

 賄賂として、教授にタバコを渡さなければならないという意味。平壌の名門大学も、地方と同じらしい。

──米朝間の危機が世界で報道されているけど、知っているか。

「講演会で『私たちがもう核を持っているから、アメリカの奴らは身動きできない』と言ってますけど、学生同士だと『戦っても相手にならない。負けるしかない』と……。ところでおじさん、なぜこんな話を? 携帯電話も盗聴されているのに。私は戦争なんか興味ないですよ。学校生活が大変で」

──金正恩委員長をどう思う?祖父、父と比較すれば。

「首領様と同様の方(笑)」

 この笑いは、本音ではないよ、という意味に聞こえた。

──学校の友達は何と?

「自分のお兄さんも叔父さんも殺すのに、私たちを殺さない理由があるかしら。彼が早く死ななければいけない。はっきりとは言わないけど、友達同士で、そう話します」

──ほかの人とそんな話をしたら政治犯収容所行きだよ。気をつけなさい。

「おじさん、地方にはまだ脱北する人が多いですか。私が国境出身だから、友達からよく聞かれるんです」

──多いよ。警備が強化されてるときは少ないけど、緩くなると、かなり逃げるよ。

「脱北した人は、韓国からお金をたくさん送ってくるようですね」

──たくさん送って来るね。うちの村は皆脱北してがらんとしたよ。

「私も韓国に行ければいいな」

──おい! そんなこと言うな。家族や親戚を皆殺しにしたいのか。

「韓国のドラマをたくさん見るから、友達と『遊びに行ってみたいね』と話すんです」

──南朝鮮に遊びに行きたいの? ドラマで見たものを見たくて?

「は~い。そうです(笑)」


暮らしぶりがまったく改善されていない

 金正日総書記が死亡した2011年末からこれまで4回ほど、同じ形で北朝鮮市民への電話取材を行なった。証言を通じてわかるのは、6年前から、暮らしぶりがまったく改善されていないこと。今回初めて話を聞いた平壌市民の生活も、地方とさほど変わりなさそうだった。

 人々は若い指導者に変化を期待したが、いまは諦めに変わっている。エリートであるはずの、平壌の名門大学の学生でさえそう考えていることもわかった。

 国際社会による経済制裁が、政権中枢にどの程度の打撃を与えているかわからない。しかし米やガソリンの価格上昇という形で、庶民の暮らしを直撃している実情は見えた。金正恩委員長は今後、市民たちの不満にどう向き合っていくのだろうか。

 勇気を奮って取材を受けてくれた北朝鮮のみなさんに感謝し、これからの安寧を祈る。

(「文藝春秋」2017年12月号)

〜引用終わり〜


取材に少なくとも応じている以上、無作為的なアンケートではないのでこれらの意見が代表的であるかはわかりません。

私の推測ではやはり、2対6対2の法則が頭に浮かびます。

つまり完全にまた絶対的に今の体制を支持している人が2割入るでしょう。

以前の情報では国民の5人に1人は国民を監視する当局のスパイ(秘密監視員)と言われていました。

つまり監視当局からなんらかの配給などの特権を与えられて、密かに回りを監視して摘発する役割です。

最近は配給自体が、回らず、このシステムがどこまで有効なのかはわかりませんが、とにかく2割くらいの全くの体制派入るでしょう。

次の6割は仕方がない、監視されているし、このままなんとか生きていくしかないとついてきている多くの国民です。

最後の2割は完全な不満分子になる人達です。

この記事にもいっそ戦争してくれたら、この国が崩壊して新しいやり直しができるのにとか、脱北を考えたりする人たちです。

そのように今も虐げられた人達も多いのに、フジテレビの平井文夫元政治部長現在上席解説委員が言うように「そこの二人いい加減にしろニヤニヤするな」

などと言いたくなります。

韓国保守派の2割をいかに立ち上がらせるか?、北朝鮮の体制崩壊を願う2割をいかに奮い立たせるか?

それに韓半島の将来がかかっています。

確かに地政学的に、また歴史的に、中国、ロシア、アメリカ、日本の関与と責任はあるのですが、実際の当事者は韓国と北朝鮮です。

しかし、文在寅大統領はその当事者として正しく対処しているのでしょうか?

なんとしても2割の保守派に奮起してもらわなければならないと思います。

そして北の体制崩壊を願う、北の国民も少なからずいることは確かです。

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