金正恩委員長も追い詰められています。その意味は?
先日、金正恩委員長言動を肉声で聞いてみるとその言葉やパーフォマンスとは裏腹に結構追い詰められた印象も持ちました。
それではまずいただいたコメントを紹介したいと思います、
一さん投稿ありがとうがとうございます。
〜引用開始〜
投稿者:一さん
コメント本文:南北首脳会談は、武力によらない南進であり、真の目的は、北主導による南北統一です。マスコミは南北融和のための非核化だとしか言ってませんが、現実的に有り得ないことです。このまま行けば、韓国民の歓喜は、いつか悲鳴に変わるでしょう。まもなく、非核化の具体案の段階で、その正体をさらしてくるでしょう。出来る限り、光の天使に偽装している悪魔を、見破って行きましょう。
〜引用終わり〜
一さんののおっしゃる通りだと思います。
また珍しく朝日新聞が北朝鮮の体制転換を願う脱北者の意見を取り上げていました。
紹介します。4月29日の朝刊です。
(朝日デジタルは有料なので一部だけ紹介します)
〜引用開始〜
南北首脳会談は「偽装平和ショー」
南北首脳会談の為、軍事境界線を越え、韓国側に来た金正恩・朝鮮労働党委員長を、メディアの多くはは好意的に伝えた。
だか、脱北者の私の目には、世界を相手にした「偽装平和ショー」と映った。正恩氏の狙いは、世界に対して自分たちの存在は危険な存在ではないというアピールをして経済制裁を解くことだ。
(以下省略。)
〜引用終わり〜
脱北者としての彼の意見では北にとっても今回の南北会談は失敗だったと分析しています。脱北者の多くはひたすら北の体制崩壊を望んでいてそちらに傾く傾向にはありますが、一定の理解はできます。
彼は今でも北朝鮮の知人たちと連絡を取りあっているそうですが、相変わらず北朝鮮の体制は変わっておらず、今回の南北会談も大多数の国民には詳細には知らされていないようです。
もちろん相当に編集された報道がされるのでしょうが、それでも南の情報が多く知られるようになり、また人間的に接する(西欧受けする言動、立ち振る舞い)世界向けの金委員長の行動は北朝鮮の住民には戸惑いが広がるでしょう。
さらに南との文化交流が進めば、北の体制に動揺が広がる可能性もあります。
つまり、金正恩の今回の首脳会談の決断はまさに命懸けの両刃の剣となっています。
追い詰められた結果の南北首脳会談ですし、米朝首脳会談となるでしょう。
中身はまったくない首脳会談は北朝鮮の金正恩委員長のパーフォマンスに終始しましたが、その西側向けの演出は西側にはある程度有効ですが、北の国民にとってはどう映るかは危険性があります、
神格化された金委員長が丁寧ににこやかに接すれば、それは今までとは違う印象を持つことでしょう。
つまり、危険な賭けに出た面もあるということです。
70年以上、三代にわたった独裁体制がかならずしもいつまで持つかの保証がないという見方も健在です。
ここをトランプ大統領は見抜いて、逆に体制の保証をするかのようなパーフォマンスをして、在韓米軍の撤退などの妥協をせずに結果が出るまでは圧力をかけ続けることが必要です。
その上で金正恩委員長に説得できるかにかかっています。もちろん簡単なはずもなくこのような予測不能な首脳会談は現代では聞いたことがありません。
トランプ大統領有利とも言えず、また金正恩委員長の核保有の戦略が有利とも限りません。
米国国内外にも北朝鮮の核保有を認めた上での交渉を主張する声もありますが、そうなれば、世界秩序は崩壊し、核保有が世界的に広がっていくスタートとなるでしょう。
日本も当然核保有の議論を進め、その開発や保有を向けて前進することにしかないでしょう。
現時点では米国の戦略がその方向に向かうことは無さそうなので、米朝首脳会談を見守りたいと思います。
北朝鮮も追い詰められています。
つまり金委員長は文在寅大統領を平壌に呼びつけることもできず、次の米朝首脳会談も平壌ではできそうにはありません。
北としては三人の米国人の解放を条件に必死で平壌開催を迫ったようですが、どうやら、モンゴル・ウランバートル、シンガポール、などの第三国になりそうな形勢です。
スウェーデン・ストックホルム、スイス・ベルンなども候補地ですが、ヨーロッパは遠く、安全に飛べる飛行機がないらしいので、アジアが有力とされています。
国内向けには北朝鮮の平壌に呼びつけた形にしたかったのですが、それもできず、かなり苦しいのも事実でしょう。
ですから、米朝首脳会談の主導権は米国が握っているはずですが、今度はトランプ大統領の演技力がどれくらい金正恩を上回ることができるでしょうか?
北朝鮮の出方によっては交渉決裂となり、その後の展開にどの程度の自信を持っているかによります。
自信満々で中国の協力も引き出すことができて、完全に北朝鮮をギブアップに持ち込める自信を見せつけられるかどうかでしょう。
ギブアップとは完全な(アメリカ向けのICBM.日本などに向けられた中短距離ミサイルなど全て)、徹底的に検証可能で、再び持つことがない不可逆的な核廃絶をすることです。そのことは戦争の後の無条件降伏に近いことを北朝鮮にとっては意味します。
北朝鮮の体制保証とは韓半島からアメリカ軍の撤退を意味していますので、そうでない形の体制保証などは裸同然の降伏とほぼ同じ意味となるでしょう。
世紀の会談としての役者ぶりをどちらがどこまでやれるのでしょうか?